そうお悩みのあなたにおすすめの本があります。
文章術の本がたくさん並んでいる中、手に取って
見やすい!!読みやすそう
と思った本書、
太字、アンダーライン、枠
がたくさん使われていて読みやすく、スラスラと半日で読むことができました。
本書の結論、それは
どう書くかではなく、何を書くかに集中する
というものです。
実は、もともと文章を書くのが大の苦手だという著者。
本書は、
文章が苦手な人でも、書くことが好きじゃなくても、実践できる内容だけを紹介します
と書かれているだけあって、
すぐにでも実践できることばかり
です。
文章が苦手、少しでも早く書けるようになりたい
とお悩みの方は、是非、当記事を読み、本書を手に取ってみて下さい。
「何を書くかに集中するだけ」で、なぜ速く書けるのか
みんなが使っている「LINE(ライン)」って、誰でも速くうつことができますよね!
なぜでしょう?
それは、「表現」よりも、「要件」が重視されるからです。
文章に時間がかかってしまうのは
- 小説家や記者のように「うまい文章」を書こうとしてしまう
- 起承転結を意識する
- ゼロから文章を作ろうとする
からです。
仕事で書く文章に文才はいりません。
読者にとって役に立つ内容をわかりやすく伝えることができれば、それで十分なのです。
また、文章を作るとき、絶対にゼロから文章を作り始めてはいけません。
例えば、家を建てるには、
木材、窓、ドアノブ、水道管…
など無数の材料から成り立っています。
直前になって、それらの材料を一から集めるところから始めようとしたら、膨大な時間がかかりるでしょう。
事前に必要なものを集めて、その材料が目の前に揃っているからこそ、納期とおりに工事を終えることができます。
文章も同じです。
書く内容がわかっていれば、速く書けるのです。
本書では、書く内容のことを「文章の中身」、つまり素材と呼んでいます。
素材とは
文章を書く前に、素材を準備すればいいことはわかりました。
じゃあ素材とはなんでしょう?
「伝えたい内容そのもの」です。
具体的には
- 独自の事実
- エピソード
- 数字
です。
本書で挙げられている例文の一部を紹介します。
トヨタ協業 1800万台連合 スズキと包括提携
トヨタ自動車が異業種との競争もにらんだ巨大連合づくりを進める。6日、スズキと環境技術などで包括的な業務提携を結ぶと正式発表した。トヨタは2014年に年間販売台数が1千万台を上回り、燃料電池車(FCV)など新技術の実用化で先頭を走る。ただIT(情報技術)企業など異業種の参入により競争環境は様変わりし、「1800万連合」で勝ち残りを目指す。
『日本経済新聞』・2017年2月7日朝刊1面より
ご覧の新聞記事では、青色のアンダーラインで引かれた「異業種との競争もにらんだ」「先頭を走る」「競争環境は様変わりし」以外の記述はすべて素材です。
本書では、その他の文章も例に挙げて、文章がいかに
独自の事実、エピソード、数字
を集めたもの、つまり素材でほとんどの文章が成り立っているかよくわかります。
文章の9割は素材でできています。
文章は素材を用意できればほぼ完成なのです。
素材を使って速く書く「素材文章術」の具体的な方法
ここまで、文章は9割が素材、素材を用意できれば、ほぼ完成であることを説明しました。
ここからは、素材を使って速く書く「素材文章術」の具体的な方法について、説明します。
素材文章術は、大きく分けて5つのステップがあります
- 書く目的と読者を定める
- 素材を集める
- 素材を組み立てる
- 一気に書ききる
- 見直す
当記事では、その中でも特に大事だと思った
書く目的と読者を決める
一気に書ききる
の2点について、紹介します。
書く目的と読者を決める
文章を書く前に、必要な素材を正しく集めるには2つのルールがあります。
1.文章の目的をはっきりさせる
素材を集める前に、何のためにその文章を書くのか?を明確にしましょう
書く前からすでにわかっている文章の目的のことを「表面上の目的」とします。
正しく速く素材を集めるには、表面上の目的を知っているだけでは不十分です。
表面上の目的から、真の目的まで掘り下げることです。
例えばあなたが、社内報のエッセイを依頼されたとします。
「自己紹介」が表面上の目的で、真の目的が「職場では見せないパーソナルな姿を社員に紹介する」であった場合を考えてみましょう。
素材は「会社に人が知らないマイブームの趣味」とか、「密かに開拓した会社周辺のおいしいランチ」といったようなことでしょう。
自己紹介という表面上の目的しか把握できていないと「過去の仕事の実績」「どんな思いで仕事に取り組んでいるか」が、ピント外れの素材になってしまうと判断できないわけです。
ピントのズレた素材で文章を書いて、書き直しとなれば、倍以上の時間がかかることになります。
真の目的まで掘り下げる作業は、自分1人でできることもあれば、誰かに質問しないとわからない場合もあるでしょう。
書く前に、素材を集める前に「真の目的」について確認することを習慣化しましょう。
大事なのは真の目的を達成すること。そして、そのための素材です。
2.読者を決める
暗闇の中でプレゼンできますか?
筆者は、若い書き手向けの講演でよく話すことがあるそうです。
「読む人をイメージしないで書く」ということは、真っ暗闇の中、どんな人が座っているのか全くわからない中で、プレゼンするようなものだ、と。
文章でも、事情は同じです。
どんな人が読むのか、誰に読んでもらいたいのか。
相手によって、素材は変わる。
だからこそ、読み手を設定しない段階で絶対に文章を書き始めてはいけないのです
ピント外れの素材を選ばないよう、文章を書く前に具体的な読者を決めましょう。
一気に書ききる
「あれ、さっき何を書いたっけな?」と後戻りして、読み返すこと、ありませんか。
誤字を見つけて修正したり、「この表現はもっと適切なものがありそう」などと、書きながら何度も止まった経験、ありますよね?
この「迷い」が書くスピードをガクンと落とします。
一気に書ききるのに、大事なポイントは2点
1 いきなり完成形を目指さない
文章を速く、一気に書ききりたいとき、大きなポイントになるのが、いきなり完成形を目指さないことです。
誤字や表現も気にせず、一気に書ききる。
書いている最中に、調べたい数字や正確な名前が出てきてしまった
そんなときにも、一切、筆を止めるべきではありません。
●や★などのマークを入れて、後から調べることにしましょう。
2 文章のボリュームも気にしない
2000字と指定された文章を、3000字書いてしまってもいいです。
多く書いてから、あとで削るほうがいちばん速いから。
勢いが出ますし、結果的に速く書き終えることができます。
実際に書く時間をできる限り短縮するためには、書いている最中に悩まないことです。
後で修正することを前提にしているので、とにかく最後まで書ききりましょう。
まとめ
「どう書くか」ではなく、「何を書くか」に集中するだけで、なぜ速く書けるのか?
それは、「文章の中身」、つまり素材を意識するだけで速く書けるということ。
小説家のように、うまい文章や表現にこだわる必要はありません。
素材とは
伝える内容そのもの
具体的には
- 独自の事実
- エピソード
- 数字
です。
文章は素材が9割。文章は素材が用意できたらほぼ完成。
素材を集める前に、まずは、書く目的と読者を決めましょう。
書く目的は、表面上の目的ではなく、真の目的まで掘り下げること。
読者よって素材は変わります。
素材が揃えば、一気に書ききりましょう。
読み返すことなく、誤字や表現は気にせず、まずは書ききることが一番です。
書き終わってから修正しましょう。
文章のボリュームも気にしなくてよいです。
多く書いて、あとで削る方が結果的に速くなります。
本書では他にも、素材文章術、具体的なステップとして
- 素材の集め方
- 素材の組み立て方
- 見直す
や、ケース別では
- 素材の組み立て方「800字」の文章
- 素材の組み立て方「5000字」の文章
- 20分で500文字の書評を書く
などといった実践編もたくさん紹介されています。
たいへん読みやすく、すぐにでも使えるものばかりでした。
本記事を読み、「素材文章術」の詳細が気になった方は、是非手に取ってみて下さい。
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